米Facebookが取り組んでいるインターネット普及促進プロジェクトの無人飛行機「Aquila」について、米国家運輸安全委員会(NTSB)は現地時間2016年12月16日、テスト時の事故に関する調査結果を明らかにした。

 Facebookは同社主導の非営利団体internet.orgの活動の一環として、無人飛行機を用いたインターネット接続網構築プロジェクトに取り組んでいる。同社は6月に米アリゾナ州ユマで初めてフルスケールのAquilaのテスト飛行を実施。操作モデルと機体デザイン全般を確認するために低い高度で90分以上飛行し、「成功した」と報告していた(関連記事: Facebook、上空からネット接続手段を提供する無人飛行機のテストに成功)。

 しかしAquilaは着陸の際に右翼が「構造的破損」を負い、地面に衝突して「かなり損傷した」という。NTSBは米連邦航空局(FAA)やFacebookなどから提出されたデータをもとに分析を行った。

 90分間のフライト中は特に異常はなかったが、風が想定以上に強くなっていたという。着陸のために高度を下げていく際、機体は乱気流に遭遇し、地上20フィートのところで右翼に構造的不具合が生じた。その4秒後に機外は地面に衝突し、激しく損傷した。

 NTSBはデータ分析の結果、突風を受けたAquilaは自動着陸機能により軌道修正しようとしたが、正しい体勢に戻せず、機体の速度が増し、最終的に破損着陸することになったと判断した。

 Facebookは、同テストである程度の損傷は予想していたという。将来版Aquilaでは、ブレーキやスポイラーなどを使って着陸性能を改善するほか、着陸時に一定速度を超えないようにするなどの対策を検討している(米Tech Timesの報道)。

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