NTT西日本は2016年12月16日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)向け無線技術の「LoRaWAN(ローラワン)」を使ってゴルフ場内のゴルフカートの位置を管理するシステムの実証実験を始めると発表した。運用ノウハウを確立し、他分野の商用車の位置情報管理や盗難防止対策などに適用することを目指す。

図●NTT西日本が奈良県天理市の「春日台カントリークラブ」で始める実証実験の概要
図●NTT西日本が奈良県天理市の「春日台カントリークラブ」で始める実証実験の概要
(出所:NTT西日本)
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 12月下旬から、ロート製薬傘下のロートピア(奈良県天理市)が運営する「春日台カントリークラブ」で、ゴルフカート25台にLoRaWAN対応のGPSトラッカーを取り付け、位置情報を一元管理するシステムを運用する()。GPSトラッカーはGISupply(ジーアイサプライ、北海道東川町)が提供する。実証実験を通じて、GPSトラッカーの通信電波強度やバッテリー消費量などを測定し、運用上の課題を検証する。

 ゴルフ場側は、カートの位置情報からカートを利用する組ごとのプレー進捗状況を把握し、場内運営の最適化に役立てる。低消費電力が特徴であるLoRaWANを活用することで、日々の充電作業などにかかる手間を軽減する狙いがある。

 LoRaWANは米IBMと半導体メーカーの米セムテックが共同開発した無線通信方式で、「LPWA(Low Power Wide Area)」と呼ばれる通信方式の一種。実証実験に取り組む企業の動きが盛んになっている(関連記事:日本IBMが「LoRaWAN」サービス開始、インフラ企業のIoT無線活用を推進スカイディスクと西松建設、LoRaWANを使ったセンサーの実証実験を発表)。方式間の競争も激化しつつある(関連記事:IoTの“ラストワンマイル”を巡る争い、いよいよ開幕)。

NTT西日本の発表資料