米IBMは現地時間2016年12月15日、自動車におけるコグニティブコンピューティング技術「Watson」の活用についてドイツBMW Groupと協業すると発表した。WatsonとIoT(インターネット・オブ・シングス)を密に連携させるソリューションを用いて、運転体験のパーソナル化やより直感的な運転支援を実現する方法を探る。

 提携のもと、ドイツのミュンヘンにあるIBMのWatson IoTグローバル本部内に、両社共同の研究チームを置く。BMWのエンジニアらは、IBMの技術者、開発者、コンサルタントらと協力し、Watsonによってドライバー向けデジタルアシスタントをどのように向上できるか研究する。

 共同研究チームは、BMWのハイブリットスポーツカー「BMW i8」4台を使って、IBMのPaaS「Bluemix」をベースにしたソリューションを搭載したプロトタイプを構築する。

 Watsonの機械学習技術が、ドライバーの好みや習慣などを理解し、より安全で快適な運転環境を整えていく。車の操作マニュアルの内容も、運転しながらWatsonに自然な会話言葉で尋ねられる。IBM傘下のWeather Companyによる気象予報データや道路状況データなども統合し、リアルタイムで最適な運転経路の提案を得られる。

 IBMはIoT分野に向けたWatsonの活用に世界で30億ドルを投資する予定で、その一環としてWatson IoTグローバル本部に2億ドルを投じる計画を10月に発表した(関連記事:IBM、Watson IoTに注力、2億ドルを投資しグローバル本部をドイツに設置)。IBMによると、Watson IoTのソリューションおよびサービスを利用する企業は、この8カ月で4000社から6000社に増加している。

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