2016年12月15日、「Ruby biz Grand prix 2016」(Ruby bizグランプリ)の表彰式が開催され、各賞の受賞者が発表された。同グランプリは、プログラミング言語「Ruby」を使ったビジネスを表彰するもので、2回目の開催となる。

Ruby biz Grand prix 2016表彰式
Ruby biz Grand prix 2016表彰式
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 ノミネートされた29社の中から選ばれた大賞は、請求書を作成・送付できるクラウドサービス「Misoca」を運営するMisocaと、手の開いている配送事業者に配送依頼を直接できるマッチングサービス「ハコベル」を運営するラクスルが受賞した。

 Misocaの豊吉隆一郎代表取締役は「起業する以前からRubyの勉強会を開催するなど、楽しくプログラミングできるRubyが好きだった。2016年11月にはRuby発祥の地である島根県松江市にオフィスを開いた」と、Rubyへの情熱を語った。個人事業主としてWebサービス開発に携わっていた時に、「面倒に感じていた請求書の発行を簡単にできるように、サービスを開発した」(豊吉氏)という。

まつもとゆきひろ氏(左)から大賞のトロフィーを受け取るMisocaの豊吉隆一郎代表取締役(右)
まつもとゆきひろ氏(左)から大賞のトロフィーを受け取るMisocaの豊吉隆一郎代表取締役(右)
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 ラクスルの泉雄介執行役員CTO(最高技術責任者)は「ハコベルは当初PHPというプログラミング言語で開発していたが、サービス提供の1カ月前に改修する必要があると分かった。開発担当者がRubyで作り直したいと言い出し、1カ月で完了した」と開発の裏話を紹介。「1カ月で作り直せたのは、生産性の高い開発ができ、作っていて楽しいと思えるRubyだったから」(泉氏)。

まつもとゆきひろ氏(左)から大賞のトロフィーを受け取るラクスルの泉雄介執行役員CTO(最高技術責任者)(右)
まつもとゆきひろ氏(左)から大賞のトロフィーを受け取るラクスルの泉雄介執行役員CTO(最高技術責任者)(右)
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 特別賞はアクトキャット、ジモティー、ユニファが受賞した。グローバル賞をPlanio GmbHが、ソーシャルイノベーション賞を正興ITソリューションとメドレーが、それぞれ受賞した。

 Rubyの開発者であり同グランプリの審査員長を務めたまつもとゆきひろ氏は、「受賞した企業のほかにも、ノミネートされた29社の中には素晴らしい製品がいくつもあった。Rubyを使って開発されるサービスのレベルは、全体的に上がっている」と話した。