Donald Trump次期米大統領は現地時間2016年12月14日、米大手技術企業の幹部をニューヨーク市の「Trump Tower」に招いて会議を開催した。詳しい内容は不明だが、雇用創出や経済成長などについて会談したという。

 Trump氏は選挙期間中、技術企業に敵対的な発言を繰り返し、技術リーダーの多くは同氏に警戒心を抱いて対立候補のHillary Clinton氏を支持していた。今回のハイテク会議は歩み寄りに向けた第一歩だと、米メディア(New York TimesUSA TODAYForbesTechCrunchなど)は報じている。

 Trump氏はまず、そうそうたる技術リーダーを前に「あなた方が成功するよう手助けするためにこの会合を開いた」などと述べた。

 同会議には、米AppleのTim Cook氏、米AlphabetのLarry Page氏、米MicrosoftのSatya Nadella氏、米Amazon.comのJeff Bezos氏、米IBMのGinni Rometty氏、米IntelのBrian Krzanich氏、米OracleのSafra Catz氏、米Cisco SystemsのChuck Robbins氏といった一連の技術大手の最高経営責任者(CEO)や、米FacebookのSheryl Sandberg最高執行責任者(COO)が顔をそろえた。米Space Exploration Technologies(SpaceX)および米Tesla MotorsのCEOであるElon Musk氏と、米Palantir TechnologiesのCEO、Alexander Karp氏も出席した。米TwitterのJack Dorsey CEOは欠席したが、招待されなかったとの情報もある。

 Trump氏側はMike Pence次期副大統領と政権移行チームに参加する投資家のPeter Thiel氏のほか、Trump氏の3人の子供と娘婿であるJared Kushner氏などが同席した。

 約2時間にわたる会議では、税法改正について双方の意見が一致し、Trump氏は法人税率を35%から15%に削減する計画について語ったという。

 また、「公正な貿易協定を実現し、あなた方がもっと国外と取引しやすいようにする」とも述べたと伝えられている。

 Wilbur Ross次期商務長官は「建設的な会談だった。互いによく知ることができた」とコメントし、次期首席補佐官のReince Priebus氏によれば、「雇用創出と経済成長などについて有益な話し合いをした」という。サイバーセキュリティも話題に上がったと見られる。Bezos氏は取材に対して「たいへん実りあるものだった」と答え、イノベーションの重要性について意見を述べたことを明らかにした。

 また、同会議に先立ち、Musk氏と米Uber TechnologiesのTravis Kalanick CEOがTrump氏の戦略政策フォーラムに加わることが発表された。戦略政策フォーラムには、Rometty氏も参加している。