セキュリティーベンダーのHASHコンサルティングは2016年12月14日、主に中小企業に向けて、2017年3月31日にサポート切れを迎えるRed Hat Enterprise Linux 5(RHEL 5)およびCentOS 5から後継OSへの移行を支援するコンサルティングサービス「OS移行サポート2017」を発表、同日提供を開始した。価格は個別見積もり。
RHEL 5とCentOS 5は、LinuxサーバーOSであり、中小企業を含むさまざまな規模の企業やデータセンターで、Webサーバーなど各種のサーバー用途で使われている。いずれも2017年3月31日にサポートが終了し、延長サポートを別途契約しない限り、修正パッチの提供が止まる。サポート終了後も使い続けるとセキュリティの脆弱性が放置されることになるため、それぞれの新バージョン(バージョン6やバージョン7)などへの移行が推奨されている。
コンサルティングサービスでは、OSの移行方針を決定する手助けをする。例えば、移行しない場合のビジネス上の影響を例示するなど、予算を獲得するための経営者向け資料を提供する。さらに、移行の対象となるWebサーバーの洗い出しを支援する。最終的に、妥当性や実現可能性、費用対効果などの観点から、移行計画をレビューする。
コンサルティングサービスを利用した企業は、OS移行後のサーバー脆弱性診断サービスを、割引価格で利用できる。サーバー脆弱性診断の通常価格は、IPアドレス三つまでで20万円から。これに対して、コンサルティングサービスを利用した場合は、IPアドレス三つまでで10万円からになる。
OSの移行に際して何をすればいいか分からない中小企業に対しては、問い合わせのハードルを下げるため、先着100社限定で無料相談窓口を設けた。Webフォームから相談内容を送信すると、メールで回答が得られる。無料相談を介し、必要に応じてコンサルティングサービスを検討できる。
移行できない場合は各社の延長サポートを利用
なお、RHEL 5とCentOS 5を2017年3月31日以降も使い続けたい場合は、緊急避難的な解決策として、OSベンダーなどが提供している延長サポートを受けることによって修正パッチを得られる。例えば、RHEL 5の延長サポート「Extended Life Cycle Support」(ELS)を、RHEL 5の提供元であるレッドハットが提供する。
CentOS 5に対しては、直近では、CentOSの保守サポートサービスなどを手掛けるミラクル・リナックスが、「CentOS 5向けパッチ提供サービス」を2014年12月14日に販売開始した。同サービスはデータセンター事業者などの大規模ユーザーを対象としており、サーバー台数を問わず1システム当たり年額90万円で修正パッチを提供する。