米AMDは2016年12月14日、次世代のPC向け高性能プロセッサ「Ryzen」を発表した。同社が「Zen」と呼ぶマイクロアーキテクチャーを採用する。プロセッサに100個以上のセンサーを内蔵し、動作状況に応じて性能を引き上げる機構を備える。デスクトップPC向けを2017年第1四半期、ノートPC向けを同下半期に発売する。
デスクトップPC向けRyzenは「Summit Ridge」との開発コード名で呼ばれていた。8コアを内蔵しており、16スレッド(スレッドはプログラムの実行単位の一種)を同時に実行可能。動作周波数は3.4GHz以上、キャッシュは2次と3次を合わせて20MBになるという。
Ryzenは、AMDが「AM4」と呼ぶプラットフォームで動作する。AM4では、DDR4 SDRAMメモリー、PCI Express 3.0、USB 3.1 Gen 2、NVM Expressなどを利用できる。
Ryzenの大きな特徴は、新技術「SenseMI」を搭載する点。プロセッサに内蔵した100個以上のセンサーからの情報などを基に、細かく動作周波数や電力を制御する。これにより、最適化していない状態に比べて、同じ電力でより高い周波数で動かしたり、性能を維持したまま電力を下げたりできるという。AMDは、3.4GHz動作のRyzenプロセッサについて、米インテルのデスクトップPC向け高性能プロセッサ「Core i7-6900K」と同等か上回る性能を示すとしている。