米Dialpadの日本法人であるDialpad Japanは2016年12月13日、ビジネス電話機能やビデオ会議機能、メッセージ機能などで構成する企業向けの統合コミュニケーションサービスをクラウド型で提供する「Dialpad」を発表した。同日付けで、国内総販売代理店のソフトバンクが販売を開始した。

ビジネス電話をクラウドサービスに置き換えられる
ビジネス電話をクラウドサービスに置き換えられる
(出所:Dialpad Japan)
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Dialpadのパソコン画面
Dialpadのパソコン画面
(出所:Dialpad Japan)
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 Dialpadは、クラウド型のコミュニケーションサービスである。クライアント環境を問わず、パソコン(Windows、Mac)やスマートフォン(Android/iOS)から利用できる。インターネットにつながった場所であれば、どこにいても、ビジネス電話やチャットなどの仕事上のコミュニケーションをとれる。

 「オフィスのビジネス電話機を撤去できる」とDialpad Japanは主張する。PBX(構内交換機)機能をソフトウエアとして実装しており、これを米グーグルのIaaS型クラウドサービスの上で動作させ、電話サービスとして提供する仕組み。「純粋なクラウドアプリケーションなので、すぐに必要なリソースを提供できる。単なるPBXのホスティングではない」(Dialpad Japan社長の安達天資氏)。

 電話の種類に応じて、IP電話を使う「Dialpad for 050」と、固定電話を使う「Dialpad」(2017年第一四半期中に提供開始)の2種類を用意した。IP電話はソフトバンクのIP電話サービスを利用する。固定電話は電話網とインターネットとのゲートウエイを介して利用する。いずれの場合でも、ユーザーはDialpadのアプリケーションとインターネット接続さえあれば電話サービスを利用できる。

部署の代表電話も設定、固定電話とIP電話を混在可

 社員一人ひとりに個別の電話番号を割り振った上で、代表電話番号や部署の電話番号などを設定して運用できる。社員をグループ化することにより、一つのグループ電話番号で最大25人の社員を同時に呼び出せる。IP電話と固定電話の混在も可能で、例えば個々の社員にIP電話番号を割り振り、代表電話に固定電話番号を付ける、といった使い方ができる。

 一般的なビジネス電話と同様に、電話の転送なども可能。二者間だけでなく、三人以上の複数人によるグループ電話もできる。通話内容の録音も可能。電話番号が分からなくてもアドレス帳から電話をかけられる。パソコンで開始した電話通話を、通話を切断することなくボタン一つでスマートフォンに切り替える、といったこともできる。

 電話以外のアプリケーションとしては、テキストメッセージ、音声メッセージ、WebRTCを用いたウェブ会議、G Suite(旧Google Apps)やSalesforce CRMなどの外部クラウドサービスとのデータ連携、などを提供する。音声メッセージはバックエンドで音声認識APIを利用してテキスト化する。

 価格(税別)は以下の通り。IP電話を使うDialpad for 050は、IP電話番号を割り当てるユーザー1人当たり月額800円。別途、ソフトバンクのIP電話サービス「IP-OneIPフォンBプラン『Dialpad』の契約が必要。IP電話サービスは初期費用や月額費用がかからず、通話料金(従量制)のみで利用できる。一方、固定電話番号を使うDialpadは、1ユーザー当たり月額1300円。

 Dialpadを開発した背景について、米DialpadでCEOを務めるクレイグ・ウォーカー氏は、「スマートフォンを使った一般消費者向けのコミュニケーションサービスはユーザー体験が優れているが、企業向けのサービスはそうではない」と指摘する。「企業向けのコミュニケーションサービスでも優れた体験を提供したい」(クレイグ氏)。

左から、米ダイアルパッド(Dialpad) CEO クレイグ・ウォーカー(Craig Walker)氏、Dialpad Japan 社長 安達天資氏、ソフトバンク 法人事業統括 法人事業戦略本部 執行役員本部長 藤長国浩氏、ソフトバンク 技術統括 サービスプラットフォーム開発本部 本部長 折原大樹氏
左から、米ダイアルパッド(Dialpad) CEO クレイグ・ウォーカー(Craig Walker)氏、Dialpad Japan 社長 安達天資氏、ソフトバンク 法人事業統括 法人事業戦略本部 執行役員本部長 藤長国浩氏、ソフトバンク 技術統括 サービスプラットフォーム開発本部 本部長 折原大樹氏
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