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 Appleが当初2016年10月後半に発売を予定していたワイヤレスヘッドホン「AirPods」は出荷が遅延しているが、その理由は、左右のヘッドホン間でオーディオを同期させるための技術的問題という可能性があると、米Wall Street Journalなどの米メディアが現地時間2016年12月11日までに報じた。

 Appleは同年9月にiPhone 7/7Plusを発表した際、併せて別売りの「AirPods」も発表し、その発売時期が10月後半になると述べていた。しかし10月後半、同社は製品の準備が整っていないことを明かし、出荷にはまだしばらく時間がかかると述べていた。その後AppleからAirPodsの発売時期に関する情報はなく、同社はその理由についても明らかにしていない(関連記事:「iPhone 7/7 Plus」は9月16日発売、手ぶれ補正付きカメラや防水機能を搭載)。

 今回の報道によると、AirPodsは一般的なワイヤレスヘッドホンとは異なり、片方のヘッドホンで信号を受け取り、それをもう片方のヘッドホンに送るのではなく、左右両方のヘッドホンが独立してiPhoneなどのApple製機器から信号を受け取る方式をとっている。しかしこれに関し、Appleはその技術を確実なものにする必要があると事情に詳しい関係者は話しているという。

 このほかAppleはユーザーが片方のヘッドホンを紛失してしまった場合や、バッテリーが消耗した場合の解決策も見いださなくてはならない。さらにAirPodsには、マイクのノイズキャンセリング機能や、屋外使用時における音質維持といった課題もあるとBluetooth技術の専門家らは話しているという。

 Appleが新製品の発売を延期したのは、2010年のiPhone 4ホワイトモデル以来のこと。Wall Street Journalによると、AirPodsはすでに年末商戦の商機を逃している。これはAppleにとっては大きな痛手であり、めったにない“つまずき”だと同紙は伝えている。