インテルは2016年12月9日、人工知能(AI)向けプロセッサやソリューション製品群に関する説明会を開いた。11月に米サンフランシスコで開催した「AI Day」での発表内容を基に、AI向けのプロセッサ製品群「Intel Nervanaプラットフォーム」について解説。OSS(オープンソース)のフレームワークに対応したり、開発者向けツールを提供したりして利用者の拡大を狙う。

 説明会で、インテルの福原由紀 データセンター・グループ・セールス ディレクターは「AI向けプロセッサの市場はまだ立ち上がったばかりだが、2020年までに需要は12倍に拡大する」と話した。

福原由紀 データセンター・グループ・セールス ディレクター
福原由紀 データセンター・グループ・セールス ディレクター
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 Nervanaプラットフォームは、インテルが8月に買収した米ナーバナシステムズ(Nervana Systems)が開発した技術を中核に体系化した。ディープラーニング(深層学習)に特化したプロセッサ「Lake Crest」のほか、データセンターなどに既に提供してきた「Xeonプロセッサ」や、HPCの並列処理向け「Xeon Phiプロセッサ」なども含む。Lake Crestは2017年上期に開発版による検証を進め、下期には主要な顧客のデータセンター向けに提供開始する。

Nervanaプラットフォームの構成。データセンター向けのXeonプロセッサやディープラーニングに特化したLake Crestなどで構成される
Nervanaプラットフォームの構成。データセンター向けのXeonプロセッサやディープラーニングに特化したLake Crestなどで構成される
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 「ナーバナシステムズの買収で、ディープラーニングに強みを持つプロセッサの開発を加速させる」(福原氏)。インテルはNervanaプラットフォームの開発、強化を進め、ディープラーニングに必要な学習時間を今後3年間で、現行の主流であるGPUによる処理の100分の1に短縮する計画だ。

 開発者に導入を促すために、無償のライブラリやPython対応のディストリビューションを提供するほか、OSS(オープンソース・ソフトウエア)のフレームワークである米グーグルの「TensorFlow」や米マイクロソフトの「CNTK」などに対応する。