横浜市は2016年12月8日、2016年12月7日夜から8日日中にかけて同市に設置している住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)のコミュニケーションサーバー(CS)で障害が発生したと発表した。8日日中に区役所窓口や臨時窓口においてマイナンバーカード交付を含む手続きができなくなり、市民1580人に影響が出た。9日朝までに復旧し、同日は通常通り業務を行った。

 根本的な原因は特定できておらず、住基ネット全体を運営する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)と連携して調査を続けている。横浜市の説明によれば、全国の他の市町村では同様の障害は発生していないという。

 12月8日に影響を受けた1580人のうち1208人はマイナンバーカード受け取りのために訪れていた。システム障害のためにその場でカードを交付できなかった。後日郵送などの措置をとる。残りの372人はマイナンバーカードの券面事項更新などのために訪れていた。郵送では対応できない手続きであるため、改めて来庁するよう依頼した。「住民票写しの交付」など、CSを使用しない手続きには影響がなかった。

 マイナンバーカードの交付に関しては、2016年1月の交付開始以降、たびたびシステム障害のため交付が滞る事態が発生している(関連記事:マイナンバーシステム障害を総括、「住基ネット安定稼働への過信」が背景にマイナンバーカード管理システムが一時再び障害、自治体の一部に影響)。全国の市町村の中で最大の人口(約373万人)を抱える横浜市では、処理件数の多さに起因するとみられる他市町村にはないシステム障害が何度か起こっている(関連記事:マイナンバーカードのICチップ不具合が大都市で多発、横浜市はシステム改修へ)。