パスワードを使わない認証技術「FIDO(Fast IDentity Online、ファイド)」の仕様策定団体であるFIDOアライアンスは2016年12月8日、国内でのFIDOの普及を推進するための新団体を設立したと発表した。名称は「FIDO Japan WG(Working Group)」。初代の座長にはNTTドコモの森山光一プロダクト部プロダクトイノベーション担当部長(写真1)が就任した。(関連記事:ポストパスワードの有力候補、ユーザー認証の新仕様「FIDO」が始動)
FIDO Japan WGの主な活動は、ドキュメントの日本語化や、セミナーなどを通じた情報発信。このほか、日本企業からの要望をFIDOアライアンスに伝える役目も担う。「これまで、FIDOに興味を持ってもらっても、どこに問い合わせすればよいか分からないと言われてきた。今後はFIDO Japan WGにメールしていただきたい」と森山担当部長は話す。
発足時の参加企業は大日本印刷、ディー・ディー・エス、富士通、インターナショナルシステムリサーチ、レノボ・グループ、ノックノックラブス、NTTドコモ、NXPセミコンダクターズ、楽天、三菱東京UFJ銀行、ヤフーの11社である。
FIDOアライアンスのブレット・マクドウェル エグゼクティブディレクター(写真2)は「日本企業はFIDOアライアンスに積極的に参加している。FIDO Japan WGの発足を機に、実装が一層進むことを期待している」と話す
FIDOアライアンスは同日、FIDO仕様のロードマップを更新した。最新バージョンであるFIDO1.1では、無線規格のNFCやBluetooth Low Energyを介した通信でも認証を可能にした。このほか2017年に、主要ブラウザーでFIDO認証を可能にする「W3C Web認証仕様」(関連記事:認証標準化団体が「FIDO 2.0」のWeb API仕様をW3Cに提案、パスワードレス普及へ一歩)を正式策定することや、ブラウザーやOSから外部デバイスに認証要求するためのプロトコル仕様「CTAP(Client-to-Authenticator Protocol)」をリリースする予定だと発表した。