英Kantar Worldpanelが現地時間2016年12月7日に公表したスマートフォンの世界販売統計によると、同年8~10月期は、米Appleの「iPhone」が世界のほとんどの地域で販売台数を伸ばした。OS別販売統計で「iOS」のシェアが最も高かったのは日本(51.7%)で、これに英国(44%)、米国(40.5%)が続いた。Appleが同年9月に発売した「iPhone 7」「同7 Plus」がシェア拡大につながったとKantar Worldpanelは報告している。

 このうち米国市場におけるiOSのシェアは、前年同期の33.5%から7ポイント上昇。この伸び幅は、過去約2年間で最大。また40.5%という米国におけるシェアは、42.8%を記録した2014年11月~2015年1月以来の高い水準という。

 2016年8~10月期の米国における機種別販売ランキングでは、「iPhone 7」が10.6%のシェアでトップとなり、これに「iPhone 6s」、韓国Samsung Electronicsの「Galaxy S7」、「iPhone 7 Plus」と続いた。

 一方、米国では米Googleがメーカー別販売ランキングで0.5%のシェアを獲得し、中国Huawei Technologies(華為技術)と米Microsoftのシェアと同じになった。Googleが発売した新型スマートフォン「Pixel」が広く入手可能になったのが10月20日以降であることを考えると、その躍進ぶりは目覚ましいとKantar Worldpanelは指摘している。

 なお、世界では多くの国でAndroidが75%以上のシェアを占めており、同OSは依然スマートフォンOS市場を支配している。例えば中国の2016年8~10月期におけるAndroidのシェアは前年同期から7.9ポイント拡大し、82.6%となった。ただし中国市場でもiPhone 7シリーズは健闘したと、Kantar Worldpanelは指摘している。

 2016年8~10月期、iPhone 7は中国都市部の機種別販売台数ランキングで2位となり、3.8%のシェアを獲得した。またiPhone 7 Plusは1.9%のシェアで、上位10機種に入った。これにより中国におけるAppleのシェアは17.1%となり、中国Xiaomi(小米科技)の15.9%を上回った。

 欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)を見ると、2016年8~10月期におけるAndroidのシェアは75.2%、iOSは21.2%だった。iOSのシェアはドイツを除く4カ国でいずれも伸び、iPhone 7はスペイン以外の4カ国で上位10機種に入った。また英国では米国同様にiPhone 7が機種別ランキングで1位となり、これまで1位だったiPhone SEが3位に後退した。iPhone 6sは英国で依然2位を維持しているという。

 このほか、日本ではiOSのシェアが前年同期から1.4ポイント伸びて51.7%に、Androidは同0.2ポイント低下し47.5%となった。Kantar Worldpanelが調査対象としている9カ国でiOSのシェアがAndroidを上回っているのは日本のみとなっている。

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