米IBMは2016年12月6日(現地時間)、セキュリティ対策にAI(人工知能)を適用する「IBM Watson for Cyber Security」のベータ版運用を開始したと発表した。各国の金融機関や医療・教育機関など40の組織がベータ版を利用する。日本企業では三井住友銀行が参加する。

 IBM Watson for Cyber Securityでは、自然言語処理・機械学習技術の「IBM Watson」を活用。Watsonがセキュリティ専門家のブログや公的機関の発表、学術論文などの情報を収集し、セキュリティ脅威に関する知識を自動的に習得する。

 組織内でセキュリティ・インシデントが発生した際に、Watsonが深刻度に関するアドバイスを出し、セキュリティ担当者の判断を支援する。IBMは2016年2月の年次イベントで、Watsonをサイバーセキュリティ分野に適用する製品の投入意向を発表していた(関連記事:「Watsonでサイバー攻撃を自動防御」、日本IBMがセキュリティ戦略を発表)。

 三井住友銀行は、セキュリティ人材の育成に関してNECと協業する方針も発表している(関連記事:三井住友銀行、セキュリティー人材の育成でNECと協業)。日米の有力ITベンダーとの協業を通じて、対策の拡充を図る。