欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は現地時間2016年12月6日、米Microsoftによる米LinkedIn買収を条件付きで承認した。

 Microsoftの譲歩案提示を受けてECが承認する見通しだと、海外メディアが先月報じていた(関連記事:MicrosoftによるLinkedIn買収、欧州委が近く承認か)。

 Microsoftは6月に、LinkedInを262億ドルで買収する計画を発表した。ビジネスに特化したSNSを獲得し、主要な企業向けプロダクトの拡大につなげる狙い。年内の手続き完了を目指しており、Microsoftにとって過去最大規模の買収案件となる。

 同買収については、市場競争の阻害やプライバシーの侵害といった問題が指摘され、特にLinkedIn買収を試みながらMicrosoftに敗れた米Salesforce.comが強く反対していた。

 ECは、MicrosoftがWindowsやMicrosoft Officeの独占的地位を利用して、競合のビジネスSNSの締め出しを図る可能性を懸念したが、Microsoftが提示した譲歩案はこうした懸念を解決するとして、5年間の履行を条件として買収を承認した。

 Microsoftの譲歩案には、パソコンメーカーや販売事業者がWindowsにLinkedInをインストールするかどうか自由に判断でき、プリインストールされたLinkedInをユーザーが削除できるようにすることなどが含まれる。また、競合のビジネスSNSに対して、従来どおりOffice製品へのアクセスを提供し、「Microsoft Graph」の利用を許可することも盛り込まれている。

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