米Appleと韓国Samsung Electronics間で争われている特許侵害訴訟に関して、米連邦最高裁判所は現地時間2016年12月6日、賠償金の見直しを求めたSamsungの主張を支持する判断を下した。

 Samsungは、同社モバイル製品がAppleのユーティリティー特許およびデザイン特許を侵害したとの評決を2012年に受け、2015年12月に約5億4800万ドルの損害賠償を支払った(関連記事:SamsungがAppleに約5.5億ドル支払い 特許侵害訴訟で両社合意)。しかしデザイン特許に関する裁決については不服として最高裁に上訴していた。デザイン特許関連の賠償は3億9900万ドルを占める(関連記事:最高裁判所がSamsungの上訴を受理、Appleとの特許侵害訴訟で)。

 賠償額は特許侵害のあった製品の販売利益全体を対象に算定されたが、Samsungは「特許を侵害した部品、例えばスマートフォンのスクリーンなどに限定されるべき」と主張していた。

 下級裁判所では、特許を侵害した部品は個別に販売されていないとしてSamsungの主張が退けられていたが、最高裁判事は判決文の中で「例えばディナープレートならデザイン特許を侵害した商品の利益全体が対象になるが、複数の部品によって組み立てられたスマートフォンの場合、一部のみに特許侵害があった製品全体の利益を賠償するとの解釈は、特許法に一致しない」との考えを示した。

 これにより審理は米連邦巡回控訴裁判所に差し戻され、賠償金の再算定が行われることになる。

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