米IDCが現地時間2016年12月5日に公表したウエアラブル機器市場に関するリポートによると、同年7~9月期における世界出荷台数は2300万台となった。スマートウオッチ最大手の米Appleが大幅減となったが、米Fitbitなどフィットネストラッカーを手がけるメーカーが台数を伸ばし、ウエアラブル機器全体の出荷台数は前年同期から3.1%増加した。

 IDCはウエアラブル機器をフィットネストラッカーなどの自社開発アプリのみに対応する「ベーシック型」と、スマートウオッチなど、サードパーティー製アプリも利用できる「スマート型」に分類している。

 このうち前者のベーシック型は2桁成長し、ウエアラブル機器全体の出荷台数に占める比率が85%になった。新モデルが多数市場投入されたことや、ユーザー層が拡大していることなどがその主な要因とIDCは分析している。ベーシック型はホリデーシーズン真っただ中の今も好調に推移し、10~12月期も引き続き勢いは衰えないと同社は見ている。

 同年7~9月期のメーカー別出荷台数を見ると、Fitbitが530万台(シェア23.0%)で首位を維持し、これに中国Xiaomi(小米科技)の380万台(同16.5%)が次ぎ、このあと米Garminの130万台(同5.7%)、Appleの110万台(同4.9%)、韓国Samsung Electronicsの100万台(同4.5%)と続いた。

 このうち、首位のFitbitの出荷台数は前年同期から11.0%増加、2位のXiaomiは同4.0%増加、3位のGarminは同12.2%増加した。これに対し、4位のAppleは同71.0%減少した。

 IDCが今年9月にまとめた世界のスマートウオッチ市場に関するリポートによると、Appleはスマートウオッチ分野で41.3%のシェアを維持し、同分野で業界トップ。しかし、スマートウオッチはこのところ低迷している(関連記事:16年Q3のスマートウオッチ世界出荷台数は51.6%減、Appleは71.6%減)。

 7~9月期は上位5社にベーシック型を手がける4社が入るなど、かつての見通しとは異なる展開になったという。Appleは9月に発売した「Apple Watch」の第2世代モデルで使い勝手などの向上を図った。しかしスマートウオッチのカテゴリーが今後も苦戦する中、同社の成功は限定的なものにとどまるだろうとIDCは予測している。

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