TKCは2016年12月5日、地方自治体向けクラウドサービス「TASKクラウド公会計システム」に貸借対照表と行政コスト計算書といった財務書類を活用する新機能を追加したと発表した。2016年12月15日から順次提供する。

 具体的には予算策定段階で翌年度のコストや債務の増減額などをシミュレーションできる「予定財務書類」の作成機能など4機能を提供する。

 「予定財務書類」作成機能は、翌年度末に予定される財務書類を予算策定段階で作成できる。翌年度の人件費などのコストや、地方債などの債務の増減額をあらかじめシミュレーションできる。結果を踏まえながら、人件費の削減や地方債発行額の見直しの事前検討ができるため、予算の精微化を図れるとする。

 「セグメント別財務書類」作成機能は、事業別・施設別などセグメント単位で財務書類を作成する機能。例えば「学校ごとの資産老朽化比率」や「公共施設ごとの受益者負担比率」などを、容易に比較できる。学校の建て替え計画や統廃合の検討、公共施設の利用料の見直しなどの基礎情報として活用できるという。

 「施設別財務書類分析表」作成機能を使うと、施設別の財務書類にシステムで管理できる非財務情報(施設利用者数、児童数など)を集約した分析資料を作成できる。施設同士の比較に使う基礎資料を簡単に作成できるという。

 グラフ表示機能は、最新の予算執行状況や行政コストの構成・推移、資産形成度などの情報を、様々なグラフで表現する機能。施設別財務書類分析表と組み合わせることで、財政状況を見える化できるとする。

グラフ表示機能の例
グラフ表示機能の例
(出所:TKC)
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 TASKクラウド公会計システムは、「統一的な基準」による地方公会計に対応した日々仕訳が可能。オプションの「リアルタイム仕訳システム」は、あらかじめ予算科目単位で勘定科目を定義することで、伝票入力時に予算科目を選択するだけで複式簿記による仕訳を自動作成する。LGWANクラウドサービスで提供し、国が求める「自治体情報セキュリティ強靱性向上モデル」の考え方にも準拠する。

 今回発表した4機能は、オプションのリアルタイム仕訳システムの新機能として提供。予定財務書類作成機能を12月15日から提供し、そのほかは来春にかけて順次提供する。TASKクラウド公会計システムの利用料金は年間120万円(税別)から。オプションのリアルタイム仕訳システムは同84万円(税別)から。

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