英ARMは2016年2日、都内で年次イベントの「ARM Tech Symposia 2016」を開催した。基調講演に登壇したARM Exective Vice Presidend/Chief Commercial OfficeのRene Haas氏が、同社のIoT戦略、ソフトバンクグループとしての役割について語った。Haas氏の基調講演で強調されたのは「両者のビジョンは同じであり、買収によってARMのIoT戦略はさらにアグレッシブになる」という点だった。

ARM Exective Vice Presidend/Chief Commercial Office Rene Haas氏
ARM Exective Vice Presidend/Chief Commercial Office Rene Haas氏
(撮影:中尾 真二、以下、同じ)
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 Haas氏は冒頭に、ソフトバンクとは10年以上前からパートナーシップがあり、「両社の幹部の間では、買収についても、ソフトバンクグループの傘下に入ることについても違和感はなかった」と述べた。続けて「両社のビジョンは、開発を加速させ、ビジネスを変革させ、同じゴールに向かって加速すること」と強調。買収にあたっては英国政府と人員の倍増を約束しており、ARMは今後5年のうちにグローバルでの人員を2000人規模に増やす予定だという。通常、企業買収では組織や人員の整理や合理化を伴うことが多いが、ARMはIoT戦略を進めるために人を増やしている。

ARMとソフトバンクの共通理念
ARMとソフトバンクの共通理念
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 ARMはまた、2013年と2016年にIoTに関する独自の調査レポートを出している。2013年に3年以内にIoTを手掛けると答えた企業は90%以上に上り、2016年には実際にビジネスにインパクトがあったと答えた企業は75%に達した。

 調査では、IoTの進展に伴うセキュリティの強化の必要性などを検討する企業が多かった。ARMではIoTデバイスだけでなく、ネットワークやクラウドのセキュリティを考えたプラットフォームを目指すという。