日本オラクルは2016年12月2日、Java Platform , Enterprise Edition(Java EE)の最新動向に関する説明会を開催した。2017年末までに提供を予定している次期版の「Java EE 8」では、マイクロサービス向けの実装を支援する機能を強化する。

 Java EE 8では、コンフィグレーションやステートを外部化して管理できるAPIを提供するなど、マイクロサービスの実装に必要な機能を用意。「Dockerのサポート、サーバーレスアーキテクチャーなどクラウド向けの機能強化も開発者の支持を得ている」と米オラクルでクラウド・アプリケーション基盤開発担当グループのバイスプレジデントを務めるアニール・ガー氏は説明する(写真1)。

写真1●米オラクルでクラウド・アプリケーション基盤開発担当グループのバイスプレジデントを務めるアニール・ガー氏
写真1●米オラクルでクラウド・アプリケーション基盤開発担当グループのバイスプレジデントを務めるアニール・ガー氏
[画像のクリックで拡大表示]

 このほかJava EE 8では、セキュリティ管理機能の強化を狙い認証プロトコルの「OAuth」や「OpenID」をサポート。JSONとJavaを変換する機能の「JSON-B」を新たに実装する。このほか2017年はJava EE 8の提供と平行して、Java EE 9の策定や、Java EE 9の「Early Access版」の提供を予定している(写真2)。

写真2●「Java EE 8」の概要(濃い色の部分を強化、オレンジ色の部分を新規に追加する)
写真2●「Java EE 8」の概要(濃い色の部分を強化、オレンジ色の部分を新規に追加する)
[画像のクリックで拡大表示]

 Java EEの策定が「スローペースではないか」との指摘について、ガー氏は「1年おきに新版を提供しているので、まったく遅いわけではない。今回はマイクロサービスのサポートなど、新たな技術が登場したので遅くなった」と説明。「多くのパートナーがサポートしてくれるように開発標準を押えながら、開発者に支持を得られるように開発している。この点は、OSS(オープンソースソフトウエア)とは異なる。新しい変化をきちんとサポートしていきたい」と話した。