日立システムズは2016年11月2日、京葉銀行(千葉県千葉市)に対して、トレンドマイクロのウイルス対策ソフト「Trend Micro Safe Lock」(TMSL)を導入したと発表した。千葉県内118カ所の店舗・拠点にある約400台の勘定系端末を不正プログラムから守るのが狙い。

京葉銀行によるTMSLの導入イメージ
京葉銀行によるTMSLの導入イメージ
(出所:トレンドマイクロ)
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 TMSLは、あらかじめ登録してあるプログラムに限って実行を許可する、ホワイトリスト型のセキュリティソフトである(関連記事:トレンドマイクロ、制御システム分野に向けて実行ソフトを固定化するソフトを1月出荷)。ホワイトリストに載っていないプログラムの実行を禁止することによって、マルウエアの実行を防止する。パターンファイルが要らないため、パターンファイルの読み込みやウイルス検索によるシステムパフォーマンスの低下が起こらない。

 京葉銀行がTMSLを導入したのは、勘定系端末の刷新プロジェクトの一環である。刷新にあたり、業務効率を高めるため、勘定系端末からVDI(デスクトップ仮想化)経由で情報系端末を操作できるようにした。これに合わせてセキュリティーも強化し、勘定系端末にTMSLを導入した。

 複数のウイルス対策ソフトの中からTMSLを採用した背景には、1円のミスも1分1秒の作業の遅れも許されないという、勘定系業務の特性がある。ウイルス対策の選定においては、パターンファイルの更新やウイルス検索など、勘定系端末の性能低下につながる処理が発生しないことを要件とした。