NECは2016年12月2日、クラウドを活用して数台から数十台のデジタルサイネージを運用管理しやすくする支援サービスを発表した。名称は「PanelDirector for Cloud サービスパッケージ」で、2017年1月に提供を始める。独自開発した制御装置をNEC製のデジタルサイネージに装着することで、各サイネージに配信するコンテンツをクラウド経由できめ細かく遠隔制御できるのが特徴。オープン価格で1年間ごとのライセンス契約が必要で、制御装置は別売りとなる。今後3年間で100社に1000セット以上売り込む計画。

写真●デジタルサイネージの管理画面
写真●デジタルサイネージの管理画面
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 これまで同社は、「AdWindow」「美映エル(ミハエル)」といったオンプレミス型のデジタルサイネージ運用管理サービスを大規模向けに展開。世界20カ国以上で2600を超える組織団体に導入した実績がある。自前でハードウエアの開発からクラウド基盤の運用までを手掛ける強みを生かし、クラウド型サービスを開発。今回、年間ライセンスとしてパッケージ化し、中小規模でも導入しやすくした。

 特徴は2つある。1つは「オートプレイリスト」機能で、画像や動画ごとに映し出したい期間や時間帯、場所などを設定していくだけで、各サイネージでの表示スケジュールを自動生成するもの。通常はサイネージごとにコンテンツをどの順番でいつ流すかシナリオを考えて表示スケジュールを設定する手間がかかる。新サービスでは自動化されるので、手軽な運用が可能になる。

写真●同時発売した別売りの専用コントローラ
写真●同時発売した別売りの専用コントローラ
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 もう一つが「タグ管理」機能。複数台のデジタルサイネージを管理する場合、設置場所に応じて地域や都道府県ごとに階層管理して、階層ごとに流すコンテンツを決定するケースが多い。新サービスでは、「大規模店」「中規模店」「食品取扱店」といった具合に、運用担当者が店舗ごとに「タグ」をいくつも設定できるため、該当するタグを持つ店舗だけに絞って特定コンテンツを流すなどしやすい。

 国内デジタルサイネージ市場は、2015年度は2394億円で、2020年度には7920億円に伸張する見通し。NECは運用管理のしやすさなど付加価値で競合他社と差異化を図りたい考え。