米IDCは現地時間2016年12月1日、世界のタブレット端末市場に関するリポートを公表した。同年の年間出荷台数は1億8230万台となり、前年から12%減少する見通し。

 これに先立つ8月に公表したリポートでIDCは、2016年の出荷台数が1億8340万台となり、前年比11.5%減という過去最大の落ち込みになると報告していたが、今回のリポートでこれを下方修正した。

 IDCはタブレット市場を、「スレート型」と呼ぶ従来型端末と、着脱式キーボードが用意されている「デタッチャブル型」の2つのカテゴリーに分けて分析している。

 今回のリポートによると、新興市場(日本を除くアジア太平洋地域、中南米、中・東欧、中東およびアフリカ地域など)は、2018年まで減少が続き、その後2年は横ばいで推移する見通し。これらの市場では、デタッチャブル型の伸びが見られるものの、スレート型の落ち込みが激しく、2020年まで増加に転じることはないとIDCは予測する。

 一方、成熟市場(米国、西欧、日本、カナダなど)は2016年と2017年の2年で底入れし、2018年から2020年までは1桁成長が続くとIDCは見ている。成熟市場ではスレート型の落ち込みをデタッチャブル型の伸びが補うという。

 IDCのリサーチディレクター、Jean Philippe Bouchard氏は、「スレート型からデタッチャブル型への移行は避けられない流れ」としながらも、「米Amazon.comのFireタブレットが好調であることが示すように、スレート型は今後もタブレット市場に重要な役割を果たす」と指摘している。

 「超低価格、拡大するエコシステム(生態系)といった要素に支えられ、スレート型は今後もデタッチャブル型の2倍以上出荷され、2020年には1億2400万台に達する見通しだ」と同氏は述べている(関連記事:16年Q3の世界タブレット出荷台数は14.7%減、前年割れ8四半期連続)。

[発表資料へ]