ディー・エヌ・エー(DeNA)は2016年12月1日、内容の信頼性に批判が寄せられていた医療情報サイト「WELQ」に関するトラブルを受けて、守安功社長兼CEO(最高経営責任者)名での対応を発表した。WELQを含めた同社が運営する九つのキュレーションサイトを全て、同日午後6時に閉鎖した。コンテンツ作成方針や内容を精査したところ問題点が発覚し、記事を提供し続けることはできないと判断した。メディア運営の抜本的に見直すとしている。

 「ユーザーの皆様をはじめ、広告主様、提携パートナー様、その他多くの方々に対して、これほどまでに大きなご迷惑をおかけしてしまったことを、心よりお詫び致します」。守安社長は声明の冒頭で、こう謝罪した。

 閉鎖したのはWELQ、住宅関連情報のiemo、旅行関連情報のFind Travelをはじめ、cuta、UpIn、CAFY、JOOY、GOIN、PUULの9サイト。ネット上の記事や写真、動画などを集めて再編集した「キュレーション」と呼ぶ種類の情報サイトだ。

 閉鎖の理由として守安社長は声明の中で「マニュアルやライターの方々への指示などにおいて、他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点」があったと述べた。「私自身、モラルに反していないという考えを持つことができなかった」として、守安社長自身の認識不足も認めた。

 今後は女性向け情報サイトMERYを含めた全てのメディアに関して、守安社長自身が委員長となるキュレーション管理委員会の下で、記事作成のプロセスと中身を精査する。同社のメディア運営のあり方を抜本的に見直し、「自分自身として心の底から自信の持てるプロセスを構築していくことを約束する」(守安社長)。

 発端となったのはWELQの内容に関する批判の高まりだ(関連記事)。守安社長はWELQへの批判に対して、「速やかに対応できず、非常に大きな混乱を招いてしまったのは、私自身の判断の甘さによるもの」と指摘。責任を取って自身の月額報酬の30%を6カ月減額するとした。