損害保険ジャパン日本興亜は2016年12月1日、自動車保険に加入して車両保険金を請求した顧客のうち、次契約の一部で本来よりも計約1800万円分高い保険料を誤って求めていたことが分かったと発表した。人的ミスによって、保険料の割り増し率に影響する等級が誤って保険金支払いシステムに登録されていたことが原因という。

 発表によると、誤りがあったのは、損害保険ジャパン日本興亜と損害保険ジャパンの車両保険付きの自動車保険に加入した顧客のうち、顧客の過失がない場合に本来は等級が下がらない「ノーカウント事故」と、台風や集中豪雨・豪雪、火災・盗難の事故に遭って通常は1等級下がる車両単独事故。2008年4月以降に保険金の支払いを完了して次契約をした場合に、いずれも3等級低く登録していたという。

 同社は2001年に現行の保険金支払いシステムを稼働した。2015年1月時点で過去の等級誤りなどの苦情処理データベースを調べたところ、今回と同様の問題が判明していた。そのため2015年10月のシステム改定で、入力者に等級が合っているかどうかを注意喚起する文言を表示して人的ミスを防ぐ対策を行ったという。

 今回判明した誤りは、2016年4月以降に問題がほかの顧客に波及していないかサンプリング調査を行った結果、新たに分かったもの。適用する等級が誤っていた顧客数は343人と、同様の誤りがあって他社契約に移行した顧客84人の合計427人で、計約1800万円分の過剰な支払いを求めていたという。

 同社は2016年12月以降、個別に連絡を取って正しい適用等級の保険料と支払い済み保険料の差額を返金する。損害保険ジャパン日本興亜は今後、マニュアルの明確化や社内教育の徹底で再発防止に努めるとしている。