情報処理推進機構(IPA)は2016年11月30日、新しい国家資格「情報処理安全確保支援士」(以下、支援士)に義務付けられている講習の詳細を発表した。講習費用は3年間で14万円だという。

 支援士は、サイバーセキュリティ分野における国内初の国家資格。2017年4月に第1回の資格試験が実施される。試験の合格者は、支援士として登録できる。また、経過措置として、過去に実施された情報処理技術者試験である「情報セキュリティスペシャリスト試験」と「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」の合格者も支援士として登録できる。

 支援士の資格取得者は1年ごとのオンライン講習と3年ごとの集合講習が必要なこと、講習費用は3年で約15万円かかることは既に発表されている(関連記事:IPAがセキュリティ新資格の取得方法を発表、維持費は3年で15万円)。

 今回、講習費用の正確な金額と講習の具体的な内容が明らかにされた。講習費用は、1年ごとのオンライン講習が2万円、3年ごとの集合講習は8万円(いずれも非課税)。つまり、3年ごとに14万円掛かる。講習の受講以外は、更新のための手続きや手数料は必要ないという。

 オンライン講習は、「A」「B」「C」の3種類を用意。順番に受講し、3年目にはオンライン講習Cを受講した後、集合講習を受ける。なお、試験合格日から支援士登録日までの期間が3年を超えている場合には、登録初年度にオンライン講習Cと集合講習を受講することになる。

講習の受講時期
講習の受講時期
(出所:情報処理推進機構)
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 各演習の目標と内容は以下の通り。

オンライン講習A:最新知識のインプット
オンライン講習B:技能の強化
オンライン講習C:基礎の再確認と集合講習への反転学習
集合講習:オンライン講習の理解度確認とケーススタディを中心とした実践に即した学習

オンライン講習および集合講習の科目と内容
オンライン講習および集合講習の科目と内容
(出所:情報処理推進機構)
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 各オンライン講習は、1回当たり6時間を予定。テキストおよび静止画ベースのコンテンツにPCでアクセスして受講する。タブレットや携帯端末は利用不可としている。

 集合講習も1回当たり6時間を予定している。ただ、講習の時間が6時間なので、休憩などを含めると1日がかりになるとしている。開催場所は、支援士の登録状況を考慮して決めるという。関東以外での開催も予定している。