マイクロアドは2016年11月29日、中国の動画共有サイト大手「優酷網（Youku）」の運営企業であるYoukuと提携することを発表した。Youkuサイト内のファッション関連チャンネルで独自企画の番組を配信し、日本企業向けの動画マーケティングを支援する。同番組では中国のソーシャルメディア上で多数のフォロワーを持つ利用者が、日本企業の商品を紹介する。ネット上の高いクチコミ効果を使って、日本商品を売り込む。
動画共有サイトのYoukuは、中国国内で約3億ユニークユーザーを持つ最大手。マイクロアドは、子会社で海外向けマーケティング事業を手掛けるマイクロアド・クロスボーダー・マーケティング（MACBM）を通じて、2016年12月中にYoukuと提携する。
提携に基づき、MACBMはYoukuサイト内のファッション専門チャンネルを通じた日本企業向けの動画マーケティング支援サービスを2016年12月に始める。中国の人気テレビ司会者やネット上の有名人であるKOL（キー・オピニョン・リーダー）を起用した番組をYoukuサイト内で配信。主に若年層や若い女性層へ向けて、日本企業の商品の販促を支援する。動画の制作はMACBMの現地パートナー企業が担当。MACBMは日本企業の商品のプロモーション支援や動画の企画を担う。
ネット有名人、無視できない影響力
配信する番組の名称は「Smart Beauty」。美容や健康に関する話題を取り扱う。番組では現地の人気司会者と、200万人のフォロワーを持つネット上の著名人であるKOLが、化粧品や美容家電、健康食品といった商品を紹介する。
中国ではSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）やネット動画の普及に伴い、KOLの人気にあやかって商品を宣伝したり販売したりする企業が増加。中国のECサイトを通じて現地消費者へ商品を販売する越境ECが加熱するにつれて、ただ商品をECサイトに並べるだけでは差異化が難しくなりつつあることも、KOL人気に拍車をかけている。有力なKOLは1時間たらずで衣料品などを数百万円も売り上げるなど、中国消費者向けビジネスを展開する日本企業にとって無視できない存在になっている。
