米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2016年11月23日までにまとめた世界の携帯電話利用実態に関するリポートによると、同年の利用者数は、昨年から3.6%増の43億人となり、世界人口の58.7%を占める見通し。伸び率に鈍化はあるものの利用者数は今後も増え続け、2020年には47億8000万人、世界人口の62.6%を占めるまでになると同社は予測する。

 同社が推計する2016年におけるスマートフォンの利用者数比率は49.7%。ただしこの比率は地域によって大きく異なる。例えば北米の全携帯電話利用者数に占めるスマートフォン利用者数の比率は78.7%と最も高く、これに西欧の71.7%が次ぐ。この2地域のスマートフォン比率は2020年に、それぞれ87.1%と82.7%になるとeMarketerは見ている。

 一方で、スマートフォン利用者数の伸びは、北米と西欧以外の地域が高い。例えば中南米のスマートフォン利用者数は2016年に前年比17.1%増となり、携帯電話利用者数の49.8%を占めるという。このほか、中・東欧(CEE)、中東・アフリカ地域(MEA)、アジア太平洋地域の2016年におけるスマートフォン利用者数は、いずれも前年比十数パーセント(10%台の前半から半ば)の伸びが見込めるという。

 先ごろ米Gartnerがまとめた2016年7~9月期におけるスマートフォンのOS別世界販売台数は、米Googleの「Android」が3億2767万台(シェア87.8%)と圧倒的に多く、米Appleの「iOS」(iPhone)は4300万台(同11.5%)にとどまった(関連記事:2016年Q3の世界スマホ販売、Samsungが首位を維持)。

 しかしeMarketerによるとiPhoneは、テクノロジーが進んだ、経済的により豊かな国でシェアが高い。2016年は、米国のスマートフォン利用者に占めるiPhone利用者数の比率が43.5%になると同社は推計する。同年9月に市場投入した「iPhone 7」シリーズが後押しし、米国のiPhone利用者はさらに増える可能性があると予測している。

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