データセンター事業やクラウド事業を手掛けるIDCフロンティアは2016年11月25日、東日本地域に二つ目となるパブリッククラウドサービス「IDCFクラウド」の拠点(リージョン)を新設。同日に稼働開始した。新拠点では、従来比16倍以上となる160Gbps超の広帯域ネットワークを構築している。

東日本リージョン2として2つのゾーンを用意(左)
東日本リージョン2として2つのゾーンを用意(左)
(出所:IDCフロンティア)
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 新拠点は、福島県白河市にある白河データセンターに東日本リージョン2として新設し、物理的に機器を分離した2つのゾーン(データセンターの区画単位)を用意した。同社ビジネス開発本部でサービス企画部サービス企画グループのグループリーダーを務める梶本聡氏は、「既存拠点の東日本リージョンには六つのゾーンがある。今後は東日本リージョン2のゾーンを拡張していく」と話す。

 東日本リージョン2の最大の特徴は、大きく見直したネットワーク構成だ。米アリスタネットワークスの協力により、レイヤー3(L3)のネットワーク上に論理的なレイヤー2(L2)ネットワークを構築する「VXLAN」という技術を採用した。IDCFクラウドのゾーン間や、同社のプライベートクラウドなどその他サービスと160Gbps超での接続を可能にしている。

IDCFクラウドとその他サービスを併用した構成イメージ
IDCFクラウドとその他サービスを併用した構成イメージ
(出所:IDCフロンティア)
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 さらに、新しいネットワーク構成では帯域を拡張しやすい。梶本氏は「IDCFクラウドと各サービスとの接続が増える中、IoT(インターネット・オブ・シングズ)時代を見据え、国内のパブリッククラウドベンダーでいち早く新しいアーキテクチャーに踏み切った」と狙いを語る。

 東日本リージョン2のサーバーは、すべてフラッシュストレージを採用。2016年11月25日から提供するとしていた、米エヌビディア製GPU(画像処理プロセッサ)を使うIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)も、同リージョンで提供開始する(関連記事:IDCフロンティア、GPU搭載のクラウドサービスを提供開始)。