日本オラクルは2016年11月22日、企業の調達部門のクラウド活用に関する説明会を開いた。同社が提供する、調達部門向けSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の「Oracle Procurement Cloud」の機能や導入事例を紹介。説明会では、PwCあらた有限責任監査法人の講演も開かれ、調達業務におけるリスク管理対策などについて解説した。

 日本オラクルのOracle Procurement Cloudは、購買管理、見積管理、契約管理などの機能を持つ。これらの機能が管理するデータはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールのように、グラフなどを使って分析可能だという。このほか、ERP(統合基幹業務システム)製品の「Oracle ERP Cloud」内のデータも使って分析に生かせる。

BIツールのように分析できる利用デモ画面
BIツールのように分析できる利用デモ画面
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 日本オラクルのクラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部 SCM/PLMソリューション部の三谷英介部長は「購買だけではなく、生産計画や製造、販売、物流などサプライチェーン管理に関する機能をSaaSで包括的に提供できることが当社の強み」とアピールした。

日本オラクルのクラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部SCM/PLMソリューション部の三谷英介部長
日本オラクルのクラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部SCM/PLMソリューション部の三谷英介部長
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 クラウド・アプリケーション事業統括 事業開発本部 ビジネス企画・推進部 ERP/EPMの中島透担当ディレクターは「調達や予算管理など、特定の業務を強化するためにクラウドを導入するユーザー企業が増えている」とする。説明会では米ゼネラル・エレクトリック(GE)がオラクル製のクラウド型ERPを採用する事例も紹介。GEは、2020年までに社内の業務システムの7割をクラウドに移行する計画だという。

 説明会では、PwCあらた有限責任監査法人 システム・プロセスアシュアランス部の綾部泰二パートナーがリスク管理について講演。情報漏洩のリスクや、調達業務が部署ごとに分散することで発生するリスクなどを例示した。「契約情報や委託先情報などを共通のプラットフォームで管理することが必要」(綾部パートナー)とする。複数の部署や拠点の担当者が持つ情報を、一元的に管理する手段としてクラウドなどの導入が考えられるという。

PwCあらた有限責任監査法人 システム・プロセスアシュアランス部の綾部泰二パートナー
PwCあらた有限責任監査法人 システム・プロセスアシュアランス部の綾部泰二パートナー
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