富士通は2016年11月24日、製造業向けのSIサービスを強化し、欧州SAPが開発した、製造現場の業務効率を高めるソフトの取り扱いを開始すると発表した。ERPによる製造・販売・調達管理に加えて、製造現場のプロセス全体のパフォーマンスを管理できるようになるとしている。

 新たに取り扱いを始めたSAP製のソフトの一つは「SAP Manufacturing Execution」である。製造現場におけるプロセス全体を管理できるという。現場の生産工程ごとの製造実績や品質情報、トレーサビリティー情報を管理し、市場品質の確保と現場改善に向けた基盤を構築できるとしている。

 もう一つのソフトは「SAP Manufacturing Integration & Intelligence」である。製造現場における様々なデータを分析して可視化することによって意思決定を支援する。データソースとして、製造実行システム(MES)や生産ラインのデータ収集を行うシステム、PLC、DCS、SCADA、検査装置などの現場機器、さらにERPなどからデータを収集できる。

 背景には、製造現場におけるオペレーションが複雑化しており、部門ごとにシステムが分断され、業務データ同士の連携やリアルタイムな情報共有が難しいという課題がある。今回の二つのソフトを導入することにより、各部門に分断されている業務データを、販売から調達、生産、製造までサプライチェーン領域全体を通してつなぎ合わせ、製造現場で発生する様々な事象を可視化して解決できるようになるとしている。