データサイエンティストのコミュニティーである「丸の内アナリティクス」は、2016年11月に社団法人登記を完了したことを発表した。役員理事に大阪ガスビジネスアナリシスセンターの河本薫所長や日本航空Web販売部の渋谷直正アシスタントマネジャーなど著名なデータサイエンティストが就任。勉強会の枠を超え、分析実務の標準化や分析スキルの向上に寄与する取り組みを増やしていく。

 「丸の内アナリティクス」はリクルートリクルートライフスタイルのデータサイエンティスト原田博植氏が2014年に立ち上げた。ITベンダーや分析専門企業を交えず、事業会社の分析責任者のみによる事例共有・勉強会の場として定期的に会合を設けるなどの活動を続けてきた。原田氏が2016年10月に独立し、人工知能(AI)活用やビッグデータ分析を手掛けるグラフ(東京・港)を起業するに当たり、「事業会社の分析責任者」という定義から外れるため、新たな組織作りを検討。社団法人登記に踏み切った。

 従来は参加者が分析事例を持ち寄り共有する場と位置づけていたが、今後はデータマネジメントやデータ分析の実務標準化を進める互助組織として、ニューズレターの発行やワークショップ、カンファレンスの開催なども行っていく。

 原田氏と、理事に就任した河本氏、渋谷氏はいずれも、日経情報ストラテジーが選出する「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」の2013~2015年の受賞者。みずほ第一フィナンシャルテクノロジーの多治見和彦氏やパルコの林直孝氏も理事に名を連ね、今後40人程度まで増やしていく予定。