Zabbix Japanは2016年11月18日、都内で年次イベント「Zabbix Conference Japan 2016」を開催した。オープニングセッションでは、来日したZabbix社の創設者兼CEOのアレクセイ ウラジシェフ氏が、同社のソリューションであるZabbixの次期バージョンや今後の方向性について語った。

エンタープライズ、ユニバーサル、オープンソース、監視。Zabbixの四つのキーワード

 Zabbixは、サーバーやネットワークなどのインフラ、ITシステムを監視する製品やサービスを提供する。最新版はLTS(5年間の長期サポートがつく安定版)が3.0、ポイントリリース版(次期バージョンリリースまでのサポートがつく、最新機能搭載版)は3.2である。3.2では監視情報を整理するイベントタグ機能、異なる監視データを関連する一つのソースとして扱うイベント相関関係機能、発生中の問題のリストを確認できる障害画面機能などが搭載された。

 登壇したウラジシェフ氏は「エンタープライズ、ユニバーサル、オープンソース、監視。そのすべてが重要なZabbixの要素だ」とZabbixの定義を改めて強調した。

Zabbix創設者兼CEOのアレクセイ ウラジシェフ氏
Zabbix創設者兼CEOのアレクセイ ウラジシェフ氏
[画像のクリックで拡大表示]

 エンタープライズ向けの監視ソリューションでは、障害を検知し予測することが重要である。障害を事前に検知して、後の被害が拡大しないようにする。ウラジシェフ氏が語った「ユニバーサル」とは、監視対象を限定せず、ネットワークやデバイス、エージェント、可用性など、多種多様な対象を監視できることを意味し、「この普遍性があるからこそ、複数の業界でZabbixが利用されている」(ウラジシェフ氏)という。

 さらにウラジシェフ氏は「オープンソースだからこそZabbixに興味を持つユーザーであればだれもが利用できる」とオープンソースへのこだわりを口にした。

監視対象はITインフラから領域を拡大

 Zabbixの活用範囲も広がっており、最近は「IoT(インターネット・オブ・シングズ)でZabbixが使えないか」という問い合わせが増えていることを紹介した。ウラジシェフ氏は、そのような問いに対して「Zabiixの監視対象はITインフラだけではない。もちろんIoTの監視も可能だ。温度や湿度などもデータとして収集し、リアルタイムで分析できる」と答えているという。