ソフトバンクは2016年11月17日、企業や自治体のFAQ(よくある質問)Webページをチャットによる対話型のページへ自動変換するサービスの提供を開始する。契約した企業などのFAQページを、同社の自然言語認識システムが解析。サイト訪問者が、質問を単語や会話で入力すると、あたかも人間のオペレーターのように自然な会話で回答する。併せてソフトバンクは有人によるチャット対応を支援するサービスも提供。自動応答との組み合わせで、企業のWeb接客体制構築を支援する。

 ソフトバンクの自然言語処理システム「APTWARE」の新機能として提供する。新たに提供するのは、既存FAQページの内容を自然言語処理の教師データとして自動的に取り込んで解析し、企業や自治体が対話型FAQページを容易に作成できるようにするもの。利用企業がAPTWAREのAPIを指定すると、APTWAREが内容を自動的に解析して、チャットによる応答の元となるナレッジベースを生成する。日本語に加えて英語と中国語にも対応可能。来年には韓国語も追加する予定。

 企業や自治体は自前で教師データを用意することなく、対話型のFAQページを作れる。スマートフォンによるチャットアプリの普及で、対消費者向けにチャットを使って応対する「Web接客」が普及。特に各種の申請や行政情報の問い合わせが多い自治体に、対話型FAQの需要が高まっている。既存FAQページの解析後は、FAQページの先頭などに、チャット応答のための質問入力欄を設けたり、オペレーターの写真やイラストを用意したりすればよい。

 ソフトバンクが同時に追加する有人チャット機能は、同サービスを手掛けるベンチャー企業チャモの技術を使う。利用者の質問にまず無人で自動回答し、質問を絞り込んでから有人チャットにつなぐ、といった利用法を想定する。

 無人と有人、両方の応答結果は、これ自体を教師データとしてAPTWAREに取り込む。使うほど教師データが充実していく仕組みだ。

 新機能の利用料金はオープン価格だが、参考価格はFAQの自動解析機能が月額40万円から、有人チャット機能が1ID当たり同2万円からなど。

■訂正履歴
記事公開当初、第2段落の後から2文目を「英語と中国語に自動変換することも可能」としていましたが、「英語と中国語にも対応可能」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/11/21 18:10]