インフォアジャパンは2016年11月16日、設備管理向けのクラウドサービス「Infor EAM Cloud」の提供を始めると発表した。「製造装置や輸送機器、ビルなど、大型の装置を持つ企業や組織向けのサービス。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)なので導入も容易で、業種を問わずに利用できる機能を備えている点がポイントだ」とインフォアジャパンの新造宗三郎 代表取締役社長(写真)は強調する。

写真●インフォアジャパンの新造宗三郎 代表取締役社長
写真●インフォアジャパンの新造宗三郎 代表取締役社長
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 EAM(設備資産管理)は、設備そのものや設備を構成する部品などの情報を基に、設備の保全に必要な部品の購買や保守計画の立案を支援したり、設備の稼働率の管理を支援したりする。工場や輸送業のほか、設備を持つ公共分野での利用実績がある。

 インフォアは以前からEAM(設備資産管理)分野の業務アプリケーションをオンプレミスで提供していた。今回、提供を始めたクラウドサービスは、「オンプレミス版のEAMと同一の機能を持っている。導入実績が十分にあるアプリケーションなので、必要な機能は一通りそろった状態で提供できることが強み」と新造社長は話す。

 Infor EAM Cloudの利用料金は1ユーザー当たり月額1万4000円(5ユーザーから)。Inforのクラウドサービスは、米Amazon Web Services(AWS)上で稼働している。Infor EAM Cloudは米国のAWSのデータセンター(DC)上で稼働しており、日本国内のユーザーが利用する場合も米国のDCからのサービスを利用することになる。「AWSの東京リージョンからのサービス開始は計画中」(新造社長)という。

 インフォアジャパンはこれまで自動車や食品飲料、ファッションなど業種に特化した業務アプリケーションのクラウドサービスを提供していた。今回のInfor EAM Cloudの提供を機に、今後は「業種を選ばずに導入できる業務特化型のクラウドサービスにも注力していく」と新造社長は強調する。

 クラウドサービスの販売を拡大するために、「2017年前半には新たなパートナープログラムを開始し、パートナー企業が当社のクラウドサービスを販売し、導入支援サービスを提供できるようにする」(新造社長)これまでインフォアジャパンが提供するSaaSは直接販売のみだった。