米Microsoftと非営利の人工知能(AI)研究機関「OpenAI」は現地時間2016年11月15日、大規模なAI研究の実施に関して協力すると発表した。

 OpenAIは、米SpaceXおよび米Tesla Motorsの共同創業者であるElon Musk氏や米Y CombinatorのSam Altman社長、米PayPal共同創業者で投資家のPeter Thiel氏などの支援で2015年12月に設立された。Musk氏とAltman氏が共同会長を務め、著名なコンピューター科学者のAlan Kay氏がアドバイザーとして関与しているほか、米Amazon.comのAmazon Web Services(AWS)やインドInfosysといった大手IT企業がスポンサーとなっている。

 Microsoftは「AIを“民主化”し、だれもがAIを使えるようにする」ことに取り組んでおり、それはOpenAIと共有する目標の1つだと述べている。

 またOpenAIは、「Microsoft Azure」を主要クラウドプラットフォームに選定した。その理由として、Microsoftのディープラーニング(深層学習)やAIへの取り組みに加え、Azureがオープンソース技術をサポートしていることなどを挙げている。

 OpenAIは、Microsoftが12月に正式リリースする予定の仮想マシン「Azure N-Series Virtual Machines」の早期導入者でもある。Azure N-Seriesは、膨大な演算能力を必要とするディープラーニング、シミュレーション、レンダリング、ニューラルネットワークのトレーニングなどに向けて設計したもので、高性能GPUへのアクセスを提供する。

 OpenAIは今後数カ月間に、Azure上で実験の数と規模ともに拡大するとしている。

 なおMicrosoftは、別のAI研究機関「Partnership on AI」にも参加している。Partnership on AIはMicrosoftとAmazon.com、米Googleおよび傘下の英DeepMind、米Facebook、米IBMなどが2016年9月に共同で立ち上げた(関連記事:Google、Facebook、IBMなど米技術大手がAI研究でタッグ)。

[発表資料(Microsoftの公式ブログ)]
[発表資料(OpenAIの公式ブログ)]