沖電気工業(OKI)は2016年11月15日、ドローンの飛行音を分析することによって飛来する方位・仰角および距離を測定して通知する「ドローン探知システム」のラインアップを強化し、300メートル先に飛来するドローンを探知できる「デュアルパラボラ型指向性音響センサー」を発表、同日販売を開始した。

デュアルパラボラ型指向性音響センサーの外観
デュアルパラボラ型指向性音響センサーの外観
(出所:沖電気工業)

 デュアルパラボラ型指向性音響センサーは、ドローンの飛行音を2本のマイクロフォンとパラボラで収集して音源位置分析を行う仕組みによって、直線(指向角90度)で300メートル先まで検知できるようにした。これに対して、既存の「無指向性音響センサー」は、半径最大150メートル(水平360度、俯仰角プラスマイオナス90度)の範囲を検知できる。

 新製品をラインアップに加えた背景には、2016年4月に施行された法律で、重要施設敷地とその周辺300メートルの上空の飛行を禁止した「小型無人機等飛行禁止法」の存在がある。新製品を使うことによって、周辺300メートルの範囲内を飛ぶドローンを検知できる。

 新製品では、背景雑音除去機能と感度調整機能を加え、騒音下にある環境での探知性能向上も図った。センサー4台から成る最小構成で、高精度に全方位の探知ができるとしている。さらに、カメラと連携するオプションも用意した。映像による確認ができるほか、映像録画や侵入履歴を残すなど、用途を広げた運用が可能になった。

 新製品の価格(税別)は、デュアルパラボラ型指向性音響センサー1台、処理部、操作表示ソフトの最小構成で600万円から。全方位探知の場合は、最小で4セットが必要になる。