ベイカレント・コンサルティングは2016年11月15日、カー用品のオートバックスセブンと共同で、ブロックチェーンを活用した中古カー用品の個人間(C2C)売買プラットフォームの実証実験を完了したと発表した。この実験で「中古カー用品の個人間売買にてブロックチェーン活用が可能であることを実証」(ベイカレント・コンサルティング)できたという。

図●実証実験で構築したWeb画面
図●実証実験で構築したWeb画面
(出所:ベイカレント・コンサルティング)
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 カー用品の所有権の管理と、出品・入札・応札といった二次流通のステータス管理を、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン上で実施。所有権やステータスを改ざんできない形で管理できるほか、5年で約10%のシステム構築・運用費削減を見込めるとする。

 今回の実証実験の対象は、購入商品の登録と、出品、商品検索、入札・応札、マッチングによる売買成立までの二次流通のプロセス。2016年7月から9月までの3カ月にわたって実施した。

 実証実験で構築したシステムの特徴は、社内で管理することを想定したデータベース(MongoDB)と、パブリックブロックチェーンであるイーサリアムの双方でデータ管理を分担する点という。

図●実証実験のシステム構成イメージ
図●実証実験のシステム構成イメージ
(出所:ベイカレント・コンサルティング)
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 商品IDや会員IDとブロックチェーンアドレスを1対1にひもづけ、お金や商品のやりとりの証拠を、仮想通貨(ETH:イーサ)の少額取引という形でブロックチェーン上に残す。商品名などのマスタ情報はMongoDB上で管理するため、商品検索などにはMongoDBの高速性を生かしつつ、個人間取引の履歴については改ざんを困難にし、取引の透明性を高められるという。

図●ブロックチェーンと通常のデータベースを組み合わせる
図●ブロックチェーンと通常のデータベースを組み合わせる
(出所:ベイカレント・コンサルティング)
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