富士通は2016年11月15日、同社が構築したクラスター型スーパーコンピュータ「Oakforest-PACS」が、2016年11月のスーパーコンピュータ性能ランキングを示すTOP500リストにおいて、「京」コンピュータを上回り国内最高性能システムとして登録されたと発表した。東京大学と筑波大学が共同で運営する「最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)」の主要計算機として導入した。

 Oakforest-PACSのLINPACKベンチマーク値は1万3554.6テラFLOPS(1秒当たり1京3554兆回の浮動小数点演算)で、TOP500リストの6位に着ける。一方、これまで国内最高位だった京コンピュータのLINPACK値は1万510テラFLOPSで、TOP500リストの7位となった。Oakforest-PACSの総理論演算性能は25ペタFLOPSで、京コンピュータの約2.2倍である。

 Oakforest-PACSは、米インテルの並列処理用プロセッサー「Xeon Phiプロセッサー」を搭載した富士通のサーバー機「PRIMERGY CX600 M1」を8208台使ったクラスターシステムである(関連記事:富士通が25PFLOPSのスパコンを受注、次世代Xeon Phi搭載のPCクラスター富士通、Xeon Phiプロセッサー搭載のスパコン用サーバーを9月出荷)。Xeon Phiの特徴は、Xeonとの互換性である。GPGPUは並列処理を一から開発する必要があるが、Xeon PhiはXeon上で動作しているx86コードを動作させることができるため、開発生産性が高い。