ドイツSiemensは現地時間2016年11月14日、産業用ソフトウエアの米Mentor Graphicsを45億ドルで買収することで両社が合意したと発表した。2017年第2四半期に手続きを完了する見通し。

 SiemensはMentor株式1株につき37.25ドルを現金で支払う。これは前営業日である11月11日のMentor株の終値に21%上乗せした水準。Mentorの取締役会は同買収を承認しており、株主に対しても承認を促している。

 Mentorは米オレゴン州ウイルソンビルに本社を置き、世界32カ国に拠点を持つ。ICやSoC、車載電装品にわたる電子系自動設計ソフトウエアを手がけ、通信、家電、半導体、ネットワーク、航空、マルチメディア、輸送といった幅広い産業に多数の顧客を持つ。2016会計年度末(2016年1月31日)時点で従業員数は5700人以上、年間売上高は約12億ドル。手続き完了後、MentorはSiemensのDigital Factory(DF)部門に統合される。

 Siemensは、自動運転車などのスマート・コネクテッド・プロダクトの実現に不可欠であるMentorの半導体設計やテスト、製造向けソリューションにより、ライフサイクル管理(PLM)事業を強化する。顧客企業がさらなる革新の加速、生産効率の向上、実地運用の最適化を図るための各種ソフトウエアツールを提供できるとしている。

 Siemensはこの10年間、ビッグデータやIoT(インターネット・オブ・シングス)を活用する「第4次産業革命」に向けて準備を進めてきた。数々の買収を通じて、特に設計や工場自動化向けソフトウエア能力の増強を図っている(英Financial Timesの報道)。

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