TISは2016年11月14日、システム構築基盤ソフトとIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を組み合わせてユーザー企業の業務システムを短期に構築するSIサービス「FAST TRACK(ファストトラック)」を強化し、Box連携オプションなど三つのメニューを新たに追加したと発表した。

図面文書の申請承認と公開閲覧に「Box連携サービス」を適用するイメージ
図面文書の申請承認と公開閲覧に「Box連携サービス」を適用するイメージ
(出所:TIS)
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 FAST TRACKは、NTTデータイントラマートのJavaアプリケーション開発用ミドルウエア「intra-mart Accel Platform」(intra-mart)と、TISが開発したintra-mart用の部品/業務テンプレートを、Amazon Web Services(AWS)の上ですぐに使い始められるようセットアップ済みの状態で提供するものである(関連記事:TISが業務システムの短期構築サービス、AWS上でintra-martを提供)。

 今回FAST TRACKに、「Box連携オプション」、「OneLogin連携オプション」、「FAST TRACK事務基盤テンプレート」、という三つのメニューを追加した。これらにより、取引先などとファイルを共有するなどして協調型で進めるワークスタイルの基盤を、短納期・低コストで構築できるようになるとしている。

 これらを使うと、パートナー企業が図面や文書を作成し、Box上の共同作業フォルダーにアップロードした後に、自社内では承認ワークフローが起動するシステムを構築できる。承認後の処理としてコメントの追記などができ、承認文書は自動的に公開フォルダーに格納される。こうして、自社内やパートナー間で共有できるようになる。

協調型システム基盤向けに三つのメニューを追加

 Box連携オプションは、ファイル共有クラウドサービスのBoxと、BoxのAPIを介してファイル連携する機能を提供する有償オプションである。多拠点体制や外部パートナー間でファイルを安全に共有できるようになる。intra-martのワークフロー機能を連携し、ワークフローの進ちょくに応じた文書管理が可能になる。

 OneLogin連携オプションは、追加費用を払うことなく標準で利用できるようになった新機能で、クラウド型ID管理サービス「OneLogin」と連携する。シングルサインオンが可能で、FAST TRACK上で運用している業務アプリケーションやBoxなどのクラウドサービスごとにID/パスワードを変える必要がない。

 FAST TRACK事務基盤テンプレートは、intra-martのワークフロー機能「IM-BIS(Business Integration Suite)」向けにTISが開発したテンプレートの一つである。審査業務やクレーム管理などのように複数部門にまたがって更新頻度の多い業務に向けて、「処理済一覧」「フローの途中でのデータ参照」「データ単位での閲覧制御」などを可能にしている。これにより管理者が進ちょく状況を確認できる。

 価格(税別)は、以下の通り。FAST TRACKの運用時に必要な基本契約「FAST TRACK ActualPlan」の参考価格は、初期費用が25万円から、月額費用が16万円から。Box連携オプションは90万円で、別途年間保守費用(20万円)が必要。FAST TRACK事務基盤テンプレートは100万円。