ビジネスSNSサービスのウォンテッドリー(東京・港)は2016年11月11日、新しい名刺管理アプリ「Wantedly People」の提供を始めた。同日からiOS版アプリの提供を始めた。Android版は12月上旬にリリースする予定。無料で利用できる。

写真1●新サービスについて説明するウォンテッドリーの仲暁子CEO(最高経営責任者)
写真1●新サービスについて説明するウォンテッドリーの仲暁子CEO(最高経営責任者)
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 ウォンテッドリーのサービスを求人用途などで利用している企業約300社を招いて11月11日に開催したイベント「WANTEDLY AWARDS 2016」の場で発表した。仲暁子CEO(最高経営責任者、写真1)は、「既存の名刺管理アプリには『2つの問題』がある。1枚ずつ名刺を撮影するのが面倒なのと、データ化に時間がかかることだ。ここ数カ月、最大限の開発リソースを使って解決策を探し、Wantedly Peopleを作り上げた」と述べた。

写真2●「Wantedly People」アプリで複数枚の名刺を一気に認識させるデモ
写真2●「Wantedly People」アプリで複数枚の名刺を一気に認識させるデモ
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 Wantedly Peopleでは、最大10枚までの名刺を一気に撮影して読み取れる(写真2)。乱雑に並べられていても、自動的に名刺の縁を認識して長方形に補正する。

 名刺の中身の読み取りにはOCR(光学文字認識)技術を使い、氏名や電話番号、メールアドレスなどの文字列が瞬時にデータ化される。複数のOCRアルゴリズムにデータ化させて相互チェックしたり、AI(人工知能)技術でパターンを学習させたりする仕組みも採り入れて、精度の向上を図っている。

 「2つの問題」とは、個人向け名刺管理アプリ分野で有力であるSansan(東京・渋谷)の「Eight(エイト)」の弱点を指している。仲CEOは「ライバルを切り崩せるぐらいのクオリティーにならないとリリースしないという意気込みで開発してきた。特に、複数の名刺を認識する技術には自信がある」と話した。Eightからエキスポートした名刺データをインポートできるようにする「乗り替え機能」も数カ月以内にリリースするとしている。

 Wantedly Peopleは2017年2月までに30万月間アクティブユーザー(MAU)の獲得を目指す。ビジネスチャットツールの「Wantedly Chat(旧称はSync)」などの自社サービスとスムーズに連携できる機能も備え、ユーザー層の拡大につなげる方針だ(関連記事:Wantedlyがビジネスチャット「Sync」を投入した理由)。