ヤフーは2016年11月11日、人工知能(AI)を使った資産運用サービスを始めると発表した。グループの資産運用会社などと協業。ヤフーの月間700億ページビュー(PV)に上るビッグデータを基に、AIが株価を分析したり銘柄を選定したりした株式を組み込んだ投資信託商品を発売する。既に目立っている銘柄ではなく、今後の株価上昇が期待できる将来の「スター銘柄」を発掘する手法を取り入れるなど、人間には難しい高度な資産運用を目指す。

 資産運用会社のMagne-Max Capital Management(MMC)、アストマックス投信投資顧問の2社と共同で提供する。両社については議決権比率ベースでそれぞれ70%、33.4%の株式をヤフーが取得済み。

 AIとヤフーのビッグデータを活用して組成した投資信託である「Yjamプラス!」を、アストマックス投信投資顧問が11月28日に発売する。福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、ふくおか証券が販売する。販路は順次増やす。

 投信の運用にはヤフーのビッグデータを活用。AIに学習させて、将来の株価予測や投信に組み込む銘柄の選定に生かす。金融情報サイト「Yahoo!ファイナンス」のデータをはじめ、ヤフーのニュースサイトの記事閲覧履歴やECサイトの売れ筋商品の傾向、天気や旅行など、「ヤフーが持つあらゆるデータを活用する」(同社)。

 資産運用には、MMCが開発した運用モデルを使う。同モデルにより、アナリストの評価の変化や株主還元策の発表などの要素を考慮し、今後の株価上昇が期待できる将来の「スター銘柄」発掘を目指すとしている。