Donald Trump氏の勝利という結果となった米大統領選で虚偽情報の拡散に手を貸したと非難されている米Facebookは、「まだやるべきことは多い」と声明を発表した。複数の米メディア(Business InsiderThe VergeEngadgetなど)が現地時間2016年11月10日に報じた。

 今回の大統領選を巡っては、Facebook上で出回った不正確な情報がTrump支持を増やしたと、非難の声が上がっている。米TechCrunchがこれについてFacebookに問い合わせたところ、同社プロダクト管理担当バイスプレジデントのAdam Mosseri氏から「我々は、Facebook上の誤った情報を大変深刻にとらえている。我々は、真のコミュニケーションを尊重し、Facebookを使っている人々の声に絶えず耳を傾けている」との声明が送られてきたという。

 Mosseri氏は、同社がニュースフィード上の情報や注目トピックを集めたトレンドにおいて虚偽情報を見分けるために努力していることを強調しつつ、「我々は、まだやるべきことがたくさんあることを理解しており、だからこそ、虚偽情報を特定する能力を向上し続けることが重要だ。引き続きこの問題に取り組み、当社プラットフォームでの使用体験向上に注力する」と述べた。

 TechCrunchは、Facebookが自らを技術プラットフォームと位置づけ、配布するコンテンツの編集責任を避けようとしていると指摘。しかし、Facebookがニュース配信元としての影響力を持つようになっており、それは無責任だと批判している。

 米Buzzfeedは先週、マケドニアのWebユーザーグループが複数のTrump支持サイトを設置し、虚偽のニュース記事を作成して広告料を手に入れようとしていたと報じた。米New York Magazineは、Facebookが同サービス上でのデマや偽情報の拡散に対処できなかったことが、Trump氏の勝利を可能にしたと指摘している。

 Facebookはトレンド上位に虚偽の記事が表示されるなど(関連記事:Facebookの「Trending」、自動化を宣言直後にガセネタ掲載で謝罪)、偽情報の拡散は以前から問題視されている。Facebookには不適切なコンテンツを通報するツールが用意されているが、果たして十分に機能しているのかと、米Mashableは疑問を投げかけている。