音楽ストリーミングサービス「Spotify」を運営するスポティファイジャパンは2016年11月10日、都内で記者説明会を開催し、同サービスの一般公開や、アプリやデバイスとの連携について最新情報を発表した。

 説明会には、スポティファイジャパン 代表取締役の玉木一郎氏が登壇。 「本日より、Spotifyを一般公開する。招待制ではなく誰もが自由にアクセスできる」と発表した(写真1)。

写真1●スポティファイジャパン 代表取締役の玉木一郎氏
写真1●スポティファイジャパン 代表取締役の玉木一郎氏
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 Spotifyは、世界で1億人以上が利用する音楽ストリーミングサービスとして9月29日に日本市場に上陸。広告付きのフリープランと、月額980円(税込)のプレミアムプランの両方について、招待制で提供してきた。これを説明会当日の11月10日より一般公開し、アカウント登録を受け付けるとした。

 玉木氏は日本市場におけるこれまでの実績を振り返り、「まずは音楽に興味のある方に集まっていただくため、招待制とした。招待コードの配布にはBABYMETALなどアーティストの方とコラボし、ファンに向けて招待コードを送ってもらった。DJ TAROさんなど、ソーシャルでのインフルエンサーの方にも協力してもらった」と狙いを語った(写真2)。

写真2●招待コードの配布にアーティストとコラボ
写真2●招待コードの配布にアーティストとコラボ
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 日本のユーザーの特徴としては、「楽曲再生回数の3分の1が、シングルやアルバムの直接再生ではなく、プレイリスト経由だった」(玉木氏)との数字を挙げた。特に人気の高いプレイリストとして「ゲーム中に聴ける音楽」を挙げ、「日本だけでなく世界中で、ゲームをしながら音楽を聴くという新しい楽しみ方が人気を博している」(玉木氏)と紹介した。

 また、Spotifyを経由することで日本のアーティストが海外で「発見」されるケースも出てきているという。「RADWIMPSの野田洋次郎氏によるソロプロジェクトのillionは、ノルウェーのキュレーターにピックアップされたことで人気になり、それが英国に飛び火して50万回の再生につながった」(玉木氏)と語った。

 なお、日本における無料ユーザーと有料ユーザーの比率については、「国ごとのデータは非公開としているが、日本ではサービス開始を待ち望んでいた方も多く、予想以上に有料を選択している人が多い。グローバルでは1億人のユーザーのうち4000万人が有料会員であるというデータを公開している。他のフリーミアムサービスとは全く違う次元にあることが理解してもらえるはずだ」(玉木氏)と語った。