SAPジャパンが新たな顧客開拓策を打ち出した。2016年11月9日、同社製品を使うことで実現できるデジタルビジネスを“体感”するためのデモ施設を東京本社内に開設。デジタル変革に取り組もうと考える顧客企業に自社製品を訴求する。「最新のSAP製品を使えば何ができるようになるのかよく分からない、といった顧客の疑問を解消する」(SAPジャパン広報)。

 デモ施設の名称は「カスタマー・エクスペリエンス・センター(CxC)」(写真1)。SAPジャパンが今回のようなデモ施設を開設するのは初めて。これまで、SAPジャパンのパートナー企業がSAP製品の検証施設を構築することはあったが、今回のCxCとは目的が大きく異る。「パートナー企業の検証施設は、製品の動作や性能などを確認するためのものだったが、CxCは最新技術の活用例を顧客企業に見てもらい、自社ビジネスでどう応用できるかを発想していただく場」(SAPジャパン広報)。欧州SAPは全世界にCxCを設置しており、東京は12拠点目。

写真1●SAPジャパンが開設したデジタルビジネスのデモ施設「カスタマー・エクスペリエンス・センター」
写真1●SAPジャパンが開設したデジタルビジネスのデモ施設「カスタマー・エクスペリエンス・センター」
出所:SAPジャパン
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 現在、SAPジャパンのCxCで公開中のデモは4種類。リアルタイムにデータを可視化し、会議での意思決定を促す「SAP Digital Boardroom」、センサー付きの鉄道模型を使い、車両の稼働状況をリアルタイムに把握する「IoT Smart Train」(写真2)、スマートグラスに作業指示やマニュアルを表示して倉庫業務などを支援する「WCc(Wearable Communicater)」、デジタル技術を駆使した新しい購買体験「INFINITE CART - by SAP Hybris Labs」である。展示内容は順次入れ替える予定だ。

写真2●センサー付きの鉄道模型を使い、車両の稼働状況をリアルタイムに把握するデモ「IoT Smart Train」
写真2●センサー付きの鉄道模型を使い、車両の稼働状況をリアルタイムに把握するデモ「IoT Smart Train」
出所:SAPジャパン
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