NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2016年11月9日、三菱航空機に対して、航空機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の開発を支えるネットワーク基盤を11月に提供開始したと発表した。フライトテストから得られる大容量データの日米間での送受信を、約400%高速化できるとしている。

ネットワーク基盤の概要
ネットワーク基盤の概要
(出所:NTTコミュニケーションズ)
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 ネットワーク回線として、国際専用線接続サービス「Arcstarグローバル専用サービス」と、世界190以上の国/地域で提供しているVPN接続サービス「Arcstar Universal One」を提供した。専用線の帯域は1Gビット/秒で、名古屋空港内にある三菱航空機本社と、約8000キロメートル離れた米国シアトルにあるエンジニアリングセンターをつないだ。

 三菱航空機では、航空機を開発する過程において、日米で実施するフライトテストから得られるデータを日米間で送受信し、日米での開発活動へフィードバックする。今回、日米間でのデータ送受信を目標時間内に完了させるために、NTTコムのネットワークを導入した。

 NTTコムの国際専用線に加えて、WAN高速化装置(アンリツネットワークス製)も導入した。これらの効果によって、従来は4時間掛かっていた日米間のデータ転送が1時間で終わるようになったという。

 MRJの飛行試験機は、2015年11月の初飛行以来、名古屋空港でフライトテストを実施している。2016年10月以降は、米国モーゼスレイク(ワシントン州のグラント・カウンティ国際空港)を拠点としたフライトテストも実施している。今後は、日米の両空港において、日米での型式証明取得に必要な合計2500時間以上のフライトテストの実施を予定している。

MRJの外観(飛行中)
MRJの外観(飛行中)
(提供:三菱航空機)
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MRJの外観
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(提供:三菱航空機)
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