日本オラクルは2016年11月7日、島津製作所が基幹業務システムの稼働環境をオラクル製コンバージドシステムを使ったプライベートクラウドに刷新すると発表した。2017年1月に稼働開始し、島津製作所の8割のグループ会社が2020年までに移行する。新日鉄住金ソリューションズが刷新を手掛ける。

 島津製作所は2006年から基幹業務システム「eSCOPE」を運用してきた。オラクルのERP(統合基幹業務システム)パッケージソフト「Oracle E-Business Suite」をベースに開発し、原材料調達から最終製品の販売までの一連の業務で使っている。

 今回、ERPソフトのIT基盤を米オラクルのコンバージドシステム「Oracle SuperCluster M7」を使ったプライベートクラウドに刷新する。目的はグローバル展開の拡大に伴って増加する処理量に対処しつつ、災害対策に向けてBCP(事業継続計画)サイトの増強を図ること。

 Oracle SuperCluster M7の実機を使った性能検証では、ある処理時間が最大191分の1に短縮したという。ストレージには自前の高速検索機能を備える「Exadata Storage Server」をオールフラッシュ構成で採用したことで、入出力の応答時間を10分の1程度に短縮した。今後はCPU処理の並列度を高めて、さらに処理性能を向上させる考えだ。

 BCP強化では、本番サイトと同等構成のシステムを災害復旧サイトに構築する。「Oracle Data Guard」機能によって、両サイトのデータベースをほぼリアルタイムに同期させるとしている。