「自治体と民間企業が医療データを活用し、新たなサービスを生み出すルール作りを進める。全国に先駆けて取り組むことでいち早く先進事例を作り、他の自治体にもその成果を還元したい」。

 福島県・会津若松市の室井照平市長(写真1)は2016年11月4日、都内で開催した記者説明会の場でこう発言した。

写真1●会津若松市の室井照平市長
写真1●会津若松市の室井照平市長
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 会津若松市は現在、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用して市民の健康データを収集する実証実験を開始している。2016年9月から10月にかけて市民モニター100人を募集。モニターから健康に関する日々のデータを収集し、それらのデータを活用した新サービスについて、自治体と民間企業が検討する。

 収集するデータは、食事の献立、心拍、歩数、睡眠時の呼吸やいびきの状況、薬の服用データ、検診データなど。ウェアラブルデバイスやセンサー付きのベットなどから自動で収集するものと、スマートフォンのアプリなどからモニターが手作業で入力するものがある。

 収集したデータを分析し、産官学が連携して新サービスを開発する。実験に参加する企業はアクセンチュア、インテル、GEヘルスケア・ジャパン、ブリスコラ、電通、NEC、おいしい健康、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険など。このほか学術的見地から会津大学が、医療の観点から福島医科大学会津医療センター、竹田総合病院、会津中央病院が参加する。