米国の市場調査会社、Strategy Analyticsが現地時間2016年11月2日に公表したスマートフォン市場に関する調査によると、同年第3四半期(7~9月)における世界出荷台数は3億7540万台となり、前年同期から6.0%増加した。

 この伸び率は数年前のピーク時に比べると低水準だが、この1年間の四半期伸び率としては最大。こうした若干の回復は、低価格スマートフォンの普及が進んだアジア、アフリカ、中東などの新興国市場によって支えられた。とりわけインドと南アフリカではその傾向が顕著だったという。

 同年第3四半期の出荷台数をOS別に見ると、「Android」が3億2860万台となり、前年同期から10.3%増えた。Androidの出荷台数シェアは1年前の84.1%から87.5%に拡大し、過去最大となった。

 これに対し、米Appleの「iOS」は4550万台で、同5.2%減少。そのシェアは1年前の13.6%から12.1%に縮小した。AppleのiPhoneは中国とアフリカ市場で振るわなかったとStrategy Analyticsは指摘している。

 また、これ以外のOSの合計シェアは1年前の2.3%から0.3%縮小した。「BlackBerryとWindowsは、そのほとんどが市場から姿を消し、Tizenを含むその他の新興OSは、製品種が限定的であったり、開発者のサポートが減ったりした」(Strategy AnalyticsエグセクティブディレクターのNeil Mawston氏)。

 Strategy AnalyticsのディレクターであるWoody Oh氏は、現在のAndroidのスマートフォン市場における地位を「難攻不落」と表現している。「低価格のサービス、使い勝手の良いソフトウエアは、依然、ハードウエアメーカー、通信事業者、消費者にとって魅力的」(同氏)という。

 ただ、Googleにとっては課題も残ると同氏は指摘する。「Android市場は数百ものメーカーが参入し、過密状態。わずかなメーカーだけが利益を上げている。Googleの新型スマートフォン『Pixel』は、Androidの人気を支えてきたハードウエアパートナー企業を攻撃することになる」と同氏は述べている(関連記事:グーグルは「モバイルファーストからAIファースト」へ、最新スマホ「Pixel」やDaydream製品を発表)。

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